若き友人たちへ

亡くなられたニュースキャスター筑紫哲也さんのラストメッセージが込められた本。

全く筑紫ファンではないけども、読んで良かった。物事を抽象化して全体像を把握すること、自分の頭で考えることの大事さというのが印象に残った。

  • 「KY」は空気を読め、さもないとお前は時代遅れだぞというような脅迫的な言葉。この国の歴史の中で何を残し何を捨ててもいいから、これだけはあなたたちが引き継いで欲しくはないと私が思い続けてきたもの、それが「KY」に凝縮してる思考なのです。
  • TVの全国放送で「台風は東北地方へ逸れました」と伝えてしまうように、自分の身を置いてるところでもつ実感とそうでないものとにはどうしても距離がある。
  • 日本国憲法はアメリカが押し付けた憲法だと言われるが、日本にある男女平等の条項がアメリカにはない。世界で最も理想的な憲法を書くとすればどういう憲法なんだろう、と議論して出来上がったのが日本国憲法の草案。
  • 日本人は判官贔屓(弱者に対する肩入れ)。日本の英雄のほとんどが悲劇の主人公。
  • アメリカでは神は一人、正しいことも常にひとつ。アメリカ人には八百万の神がでてきて、敵味方がぐちゃぐちゃな「千と千尋の神隠し」は理解不能。
  • 黒澤明監督が「日本人はなぜもっと人生を楽しむためにいろんなことをしないんだ。僕はその手助けをしようと思って、日本人にもっと楽しく生きてほしいと思って、そのためにずっと映画を撮り続けてきたのに、なんでもっと人生を楽しむという観点から生きようとしないんだろう」といつも言っていた。
  • 学ぶこととは具体的な問題を抽象化すること。つまり、個々の問題がただ並んでいるのではなく、そこに何があるのかを探し当てること。
  • パソコン操作に依存することによって、自分でものを考えて自分で書く、という動作が日常から欠け落ちている。書いて入るけれど自分のものにはなっていない。借り着を着ているだけなんです。